企業と生活者懇談会
2004年3月5日 広島
出席企業:サタケ
見学施設:広島本社ショールーム

「生活に身近な企業を考える」

 日本初の動力精米機は、今から100年以上も前にサタケにより考案、生産されました。その後、精穀理論と技術の発展に努め、産業機械、環境機器、食品な ど、事業分野の拡大も順調に進み、グローバルな企業へと成長しています。広島に本社を構えるサタケで、「企業と生活者懇談会」を実施しました。社会広聴会 員22名が参加し、日本人の主食「米」を通して、生活に身近な企業との関わりを考えました。
サタケからの説明
■会社の沿革■
 1896年(明治29年)、サタケの創始者・佐竹利市が動力精米機を考案し、生産販売を開始しました(当時の社名は佐竹製作所)。これが日本で初めての動力精米機です。2代目社長、佐竹利彦が学界初の体系的な精穀理論を発表し、今日の工学的精米理論の基礎となっています。
 3代目社長の佐竹覚は、製粉機分野に進出しました。1990年(平成2年)、アメリカへの進出に続き、1991年(平成3年)にはイギリスに「SATAKE UK LTD.」を設立し、海外での製粉機分野への本格化進出を図りました。現在の4代目社長の佐竹利子は、製粉分野だけでなく、産業機械、環境機械、食品など多様な新規分野で新規事業にも挑戦しています。2001年には社名を、「株式会社サタケ」へと変更しています。

■技術開発の歩み■
 動力精米機から歩み始めたサタケは、醸造用精米機の技術的改善や、高速精米機を完成させるなど、技術面での開発を重ねてきました。戦後、個別農家用の精米機の新製品を発表するとともに、政府の精米集中化政策方針の下、大型精米施設の供給も始めました。その後、高速の乾燥機、農家用米選機、 籾摺機もみすりき A などを次々に市場に出すとともに、最新の技術開発も進めています。
 例えば、世界初の食味計測システム「食味計」の開発、電子の目と画像処理技術によって、米一粒一粒の外観品質を判定する「穀粒判別器」、光センサーを使って穀物中に紛れている異物をキャッチし、圧縮空気で選別する「マジックソーター」など、画期的な技術を製品化しています。
 サタケは、創業以来、技術開発こそ会社発展の原動力と考えている技術開発型企業です。広島だけで300名以上の技術者が研究開発に従事しており、毎年200件以上、これまでに2200件以上の特許を取得しています。現在では農薬、菌、穀物の組成などの、ナノテクノロジーに挑戦しています。
 また社内に、製粉プラントの開発と研究のため、他に類を見ない総合研究施設「リサーチミル」を所有しています。

■事業分野〈米の分野)■
 サタケは、今日では、世界へも進出し、「SATAKE」という言葉が精米工場を意味する言葉として使われている国も多数存在しているほどです。米の加工工程は、「土地改良」「栽培」「収穫」「乾燥」「貯蔵」「籾摺」「精米」を経て「加工米」となります。サタケは、このすべての工程で使用される機械・器具を開発しています。
〈小麦粉の分野〉
 従来、小麦はそのまま粉砕して粉にしていましたが、サタケは精米の技術を利用し、初めに小麦の外皮を取り除いてから製粉する「精麦製粉」(ペリテックシステム)を開発しました。このメリットは、高品質かつ無駄の少ない製粉が行えること、コスト削減が図れることがあげられます。
〈食品の分野〉
 家庭用の商品を中心に、キッチン用精米機、炊飯器、生ゴミ処理機などを手がけています。また、お湯を入れて15分で炊き立てのご飯になる「マジックライス」を開発しました。さらに、技術応用で5年間長期保存が可能な非常用保存食も手がけています。

■営業の概要■
 国内では大型精米工場の90%、醸造用精米機の50%、共同乾燥施設の50%などの圧倒的なシェアを持っています。また、国際市場においても精米施設の占有率が、北米で98%、中南米で55%、アジアで82%、アフリカで61%と世界市場でも大きな占有率を示しています。
 株式会社サタケとそのグループは、日本国内での生産・営業拠点として広島本社のほか17カ所で、また、世界各国にもネットワークの充実を図ってきた結果、現在では、アメリカ、イギリス、中国、タイ、インド、オーストラリアなどで事業を展開するに至っています。

■社会貢献■
 サタケは社会への貢献を重視しており、1984年(昭和59年)にサタケ財団を設立し、大学や大学院の人材育成に援助をしてきました。広島大学に基金を設け、若い優秀な研究者の育成を支援していますが、海外においても、アメリカのルイジアナ州立大学へ精米プラントを寄贈・寄付しているほか、イギリスのマンチェスター工科大学では穀類科学研究所を設立したりしています。
 また過去20年以上にわたりJICA(国際協力機構)研究生を受け入れている一方、アメリカ、アジアでセミナーなどを開催し穀類加工技術の発展に貢献しています。
サタケへの質問と回答
社会広聴会員:
おいしいごはんの決め手は何ですか。
サタケ:
 一般的に、"ごはんのおいしさ"には、3つの重要な要素があります。まず、コシヒカリやあきたこまちといった品種、次に、ごはんの炊き方です。炊飯する時、お米を洗う、浸漬(しんせき:水の中にひたす)する、十分な火力の釜を使って炊く、蒸らすといった工程をしっかりすることが大事です。そして、精米加工です。  おいしいごはんは、炊き上がった時に非常に「照り(てり)」があり、輝いています。ごはんを口の中に入れてみると、適度の固さや粘り気があり、口の中でごはんの一粒一粒を感じることができ、それを噛んでみるときちっとした歯ごたえがある。こういったごはんが一番おいしいと感じられるのだと思います。
 
社会広聴会員:
精米工場のゼロエミッションに対する取り組みを教えてください。
サタケ:
私どもの精米工場は、ゼロエミッションを目指して取り組んでいます。精米工場はお米以外に玄米から白米にする時に出てくる「ぬか」や、精米加工したお米の中に含まれていた「砕米(さいまい:割れたお米)」あるいは「色のついたお米」などの副産物が出ます。このような副産物の再利用方法として、「ぬか」の中から出る油を搾油したり、「砕米」や「色のついたお米」は、米粉(こめこ)の原料や飼料として再使用しています。
 
社会広聴会員:
お米に対する消費者のニーズ把握と調査はどのようにされているのですか。
サタケ:
私どもの支店・営業所のサービスマンが、お客さまからお聞きしたニーズをリポートにまとめています。それを商品開発会議に反映させて3カ年計画を作っています。計画はニーズの変化に伴い、毎年修正しています。また、開発部門と一緒に消費者ニーズに基づく商品開発を進めることもあります。最近の例では、沖縄でコーティング米を発売しました。コーティング米というのは、お米の周りに鉄分やビタミンEを塗って乾かすというものです。このコーティング米は沖縄で特に関心が高く、そういうお米を作る機械を私どもと沖縄食糧、日本精米工業会という3者で開発し、特許を共有しています。
 
出席者の感想から
●広島に世界に通用する技術を誇る企業のあることに驚き、そして感動しました。すれ違う社員の方々からごく自然にさわやかな挨拶の声を聞いたのにも正直びっくりしました。活気ある企業は、こんなところにもその一因があるのだろうと思いました。

● なぜ、サタケがこれ程急速に業績を伸ばし、シェアを広げることができたのか、不思議に思っていた疑問が、今回の訪問で解消しました。他者に先んじた技術で、優位さを確保して行った経緯はさすがですね。精米の技術を製粉のリサイクルに応用するとは驚きでした。ショールームの設定も見事でした。

● 丁寧で親しみのもてる対応ぶり、さらには社内で出会う社員の方の礼儀正しさにも大変感心しました。人との接し方について、今までの自分や、所属する会社でのあり様を振り返って、大いに反省させられるものでした。会社の製品や業績、社会貢献活動などももちろんすばらしいのですが、それ以上に社員を大事にしている会社だと感じました。

●あまり知られていない地方の優良企業を紹介いただきありがとうございました。5時間勉強後の感想は「素晴らしい企業だ。こういう企業が日本経済の底辺を支えているとすれば、(このところ凋落著しい)日本経済もまだ安泰かな」ということです。

●日本の農業が衰退しないようにと願うばかりです。技術だけが進んでもそれに伴う生産がなくては両立しません。日本の農業を真剣に考える時が来ていると思います。

●日本人の大事な主食である「米」。日本でほぼ唯一自給できている食料「米」。「サタケ」という世界に名だたる企業の業績にふれることで、改めて日本での「米づくり」の現実がくっきりと浮かび上がってきた気がしました。

●日本人の食生活の根幹であるお米の重要性や健康づくりなど、消費拡大につながるための啓発や情報提供について、これまで以上に貢献してほしいと思いました。
お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
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