企業と生活者懇談会
2010年4月8日 兵庫
出席企業:P&G
見学施設:P&Gジャパン本社

「すべての人々により良い暮らしを~P&Gの取り組み」

4月8日、兵庫県神戸市のP&Gジャパン本社で、「企業と生活者懇談会」を開催しました。社会広聴会員22名が参加し、会社概要や事業の説明を受けた後、神戸テクニカルセンター洗濯関連商品実験室を見学。続いて質疑懇談を行いました。 
P&Gジャパンから、エクスターナルリレーションズの高田誠アソシエートディレクター、エクスターナルリレーションズ薬事・渉外担当の河合誠雄マネージャー、お客様相談室の山口太朗室長、田中冬生部門長補佐、研究開発本部ファブリックアンドホームケアの村上純子セクションヘッドが出席しました。
P&Gからの説明
■P&Gの歴史 ■
 P&Gは1837年に米国で石鹸製造業のジェームズ・ギャンブルと、ろうそく製造業のウィリアム・プロクターが創業しました。本社は米国のシンシナティにあり、従業員約13万8000人が世界中で働いています。主要拠点は80カ国にあり、約40億人に商品を提供しています。また、世界で10億ドル以上売り上げているブランドが22あり、世界最大級の消費財メーカーです。 
 日本では1973年(昭和48年)に営業を開始し粉末洗濯用洗剤「全温度チアー」を発売しました。 
 その後、「パンパース」や「ウィスパー」「ファブリーズ」などの商品を日本市場に投入、成功を収め、現在に至っています。 
 
■P&Gの企業理念 ■
 P&Gの企業目的は「現在そして未来の、世界の消費者の生活を向上させる、すぐれた品質と価値をもつP&Gブランドの製品とサービスを提供します」です。また、P&Gには社員が共有する「誠実さ」「リーダーシップ」「オーナーシップ」「勝利への情熱」「信頼」の5つの価値観があります。特に「誠実さ」は事業活動の根底にあるもので、常に「企業としてもっとも正しいことは何か」を考えています。さらに、企業目的や共有する価値観から派生した行動原則を定めています。これらを合わせて企業理念とし、事業を進める上で判断に迷うときは必ずここに帰ります。そして企業理念を実践することが、持続可能な社会の実現につながると考えています。実践の過程には「今まで落ちなかった汚れが落ちるように」といったイノベーション(革新)活動があります。 
 企業理念の前提には「安全」と「未来」への責任があります。これは、製品が人々の生活に直結するものばかりだからです。そこで科学的な基盤に基づく安全性評価を行い、すべての原料および製品の安全性を確認しています。通常使用はもちろん、誤使用しても人や環境に安全と認められる水準の製品のみ販売し、市販された後も安全性の調査、検討を継続して行っています。同時に、製品の安全性を評価する「方法」についても研究を進めています。 
 
■お客様相談室の役割「消費者がボス」 ■
 P&Gには「消費者がボス」という言葉があり、製品づくりは、お客様の声を聞くことから始まります。それには、お客様相談室が大きな役割を果たしています。P&Gでは1986年(昭和61年)お客様相談室にフリーダイヤルを導入し、多くのお客様からの声を聞く体制を整えました。 
 お客様相談室は大きく2つの役割を担っています。ひとつはお客様から寄せられるご質問やご要望を、正しく理解し、迅速かつ的確にお応えすること。もうひとつはお客様からの声を社内に伝えることです。 
 お客様相談室には年間約19万件の問い合わせがあります。その中の60%が使用法などの問い合わせ、37%が苦情、3%がお褒めの言葉です。 
 最近の傾向としては2つのことが挙げられます。まず、男性からの問い合わせの割合が増えているということです。定年後の男性などの家事への参加が進んでいることが考えられます。また、インターネットで個人が情報収集したり意見をやりとりしたりできる機会が増えたためか、全体としての件数が減っています。 
 お客様相談室では、お客様の声を一つひとつ分析し、研究開発部門をはじめとする社内へ伝えることで商品を育て、お客様に「もう一度買いたい」と思ってもらえるようにしたいと考えています。お客様相談室に寄せられた声はデータベース化され、当社の全世界の社員で共有されています。世界一品質に厳しい日本のお客様の声を還元することで、世界的な規模でのサービス向上へ寄与できると考えています。 
 緊急性が高いと判断されるものはデータベースの入力と同時に、24時間以内に経営トップへ直接報告されます。 
 お客様相談室員は、的確な判断や理解力が重要ですので、定期的に世界規模でトレーニングを行っています。
見学の様子
■洗濯関連実験室の見学 ■
 P&Gでは商品の研究開発は世界規模で行っています。世界11カ国で9000人が携わり、例えばヨーロッパで日本向けの商品の開発を行ったり、日本で東南アジア向けの商品開発を行うこともあります。 
 世界規模での研究開発は、充実した人員、体制で商品開発を行うことができ、しかも時差があるので、一方が寝ている間に別の拠点が仕事を進めることができます。 
 今回見学した洗濯関連実験室には、たくさんの洗濯機や汚れを均一に付ける機械があり、学校の理科実験室のような雰囲気でした。また、洗濯物の汚れ落ち具合は、機械以上に人間の目による判断が重要とのことで、汚れ落ち具合を目で正確に確認できるよう、明るさを均一にした部屋がありました。 
 施設の見学後、参加者が実際に2つの試料に油汚れを付けて、それを異なる種類の洗剤で落とし、汚れ落ち具合をそれぞれ確認する実験をしました。
P&Gへの質問と回答
社会広聴会員:
実際にお客様の声を反映した商品の改善例を教えてください。 
P&G:
 例えば、トイレ用消臭剤で「中のゼリーが縮んでいくけれど、いつ取り替えたらいいのか分からない」という声に応えて、容器に取り替え時期の目安を示す線を入れました。また、「紙おむつの前後が分かりにくい」という声をもとに、おむつの前面に印を付け、一目で分かるように改善しました。

社会広聴会員:
今までの事業でうまくいかなかった事例があれば教えてください。 
P&G:
すべての製品において常により良いものへと努力をしていますので、失敗例は難しいですが、明確なことは、常にお客様の声を聞き、ニーズを満たす製品を提供することで、お客様の支持を得られるということです。世界の人々の生活や価値観は同じところもあれば違うところもあります。世界で事業を展開するP&Gですが、日本のお客様の生活とニーズを理解し、最適な製品を提供することを常に心掛けています。
 
社会広聴会員:
P&Gには「女性が働きやすい会社」との評価がありますが。 
P&G:
全従業員のうち、女性は60%以上を占めます。また管理職のうち、約25%が女性です。評価をいただいた最大の要因は、社内の文化が、男女が平等で、個人を尊重することが基本になっているからだと思います。また、P&Gでは「きっと、もっと輝く私。」をスローガンにし、P&Gが組織として持つ女性活用のノウハウや、育児休暇を取得した社員の経験談などを社会に還元する社会貢献活動を行っています。
 
社会広聴会員:
環境問題に配慮した新商品の開発の予定はありますか。 
P&G:
環境問題は常にP&Gにとっては重要なテーマです。よりよい暮らしを未来の人々に届けるために豊かな自然や水を守ることは、我々の最も重要な課題のひとつです。これまでも、日本で初めて全国ブランドとして洗濯洗剤の詰め替えパウチを発売するなど、環境に配慮した製品の開発を進めてきましたが、今後も継続して取り組んでいきたいと思います。
 
社会広聴会員:
なぜ日本での拠点が神戸なのですか。 
P&G:
日本での創業期から拠点としていた大阪から、1993年(平成5年)、神戸市の六甲アイランドに移転しました。P&Gが神戸を日本の拠点に選んだのには交通が便利であり、国際都市であることです。また、自然が豊富で通勤時間が比較的短い神戸は社員にとって大変住みやすい都市です。
 
参加者の感想から
●「日本の消費者が一番厳しいからこそ、ありがたい」というお話には心強い思いを持ちました。 
 
●企業の方針・理念などの説明をお聞きしているうちに、私自身が同調してうなずいていることに気付きました。また、帰って改めてわが家を見直すと、P&Gの製品が当たり前のように生活に入り込んでいました。本当に身近な企業だったことを改めて感じました。 
 
●いきいき働く社員の方々の笑顔に、とても元気をいただき、会社が成長し続ける原点を垣間見ることができました。 
 
●日常生活で何気なく使っていた品々が、何と多くの人手と時間を要して生み出されるのか分かりました。
P&Gご担当者より
短い時間でしたが、P&Gがどのような企業であるかをご紹介させていただきました。参加いただいた皆さまからは大変温かい言葉や、今後の活動の参考になるご意見もいただきました。今後もこのような活動を続けていきたいと思います。ありがとうございました。
お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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