企業と生活者懇談会
2010年7月9日 三重
出席企業:コスモ石油
見学施設:四日市製油所

「コスモ石油グループのミッション」

 2010年7月9日、三重県四日市市のコスモ石油四日市製油所で、「企業と生活者懇談会」を開催しました。生活者18名が参加し、同社および製油所の概要や石油製品の製造工程の説明を受けた後、製油所および石油連盟の国内油濁防除資機材基地第3号伊勢湾基地を見学し、質疑懇談を行いました。 
コスモ石油四日市製油所から、大滝勝久執行役員四日市製油所長、桑島孝洋総務担当副所長、小笠原浩三生産管理担当副所長、鈴木収総務課長代理、本社コーポレートコミュニケーション部から安田善彦広報室長、前田勝久氏が出席しました。また、石油連盟から橋爪吉博広報グループ長が出席しました。
コスモ石油からの説明
■コスモ石油の沿革■ 
 大協石油、丸善石油および両社の石油精製合弁会社が1986年(昭和61年)に合併しコスモ石油が発足しました。その後1989年(平成元年)にアジア石油と合併し、現在に至っています。 
 東京本社、全国9支店のほか、千葉、四日市、堺、坂出の4カ所の製油所を持ち、石油精製・販売を事業内容としています。 
 
■四日市製油所の概要■ 
 四日市製油所は1943年(昭和18年)大協石油の製油所として操業を開始し、コスモ石油の製油所では最も古い歴史を持っています。原油処理能力は1日当たり12万5000バレル(東京ドーム約半分)で千葉製油所に次ぐ規模となっています。敷地面積は約117万平方メートルで、従業員392名のほか、協力会社のスタッフも入れると600名を超える人員が働いています。 
 大型タンカーで原油桟橋に入荷した原油からLPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、重油、潤滑油を精製し、残ったものでアスファルトをつくり、無駄なく利用し製品化しています。
見学の様子
■四日市製油所の見学 
 広大な敷地内をマイクロバスで巡り、原油を各製品に分ける常圧蒸留装置や、さらに圧力を下げ無駄なく製品を精製する減圧蒸留装置、クリーンな製品をつくるための脱硫装置などの生産設備や、原油タンクや製品タンクなどの貯油設備、桟橋や陸上出荷基地など入出荷設備を車窓から間近に見学し、そのスケール感に圧倒されました。また随所で、敷地のセキュリティー管理や自衛消防隊の設備などの説明を受け、安定操業への取り組み状況について実感することができました。さらに、近隣に見える各社の設備やそこへとつながるパイプそれぞれについても説明を受け、コンビナートについての理解も深まりました。 
 
■石油連盟の国内油濁防除資機材基地の見学 
 わが国では原油および石油製品のほぼすべてを海外から輸入しており、海上輸送が大きな役割を担っていますが、万一事故が発生した場合、流出油が広範囲にわたる可能性があります。そのため、石油連盟(石油精製・元売会社16社で構成される団体)では、国内6カ所、中東からのオイルロードに5カ所、オイルフェンスなど油濁防除資機材を備蓄する基地を設置しています。四日市市には国内第3号伊勢湾基地が設置され、コスモ石油グループのコスモ海運株式会社が管理を受託しています。 
 2010年(平成22年)4月に発生したメキシコ湾の原油流出事故の記憶も新しく、オイルフェンスや油回収機などの備蓄資機材について興味深く見学しました。
コスモ石油への質問と回答
社会広聴会員:
「ココロも満タンに」というスローガンができた経緯と具体的な活動について教えてください。
コスモ石油:
1997年(平成9年)、コピーライターの仲畑貴志さんにより誕生しました。このメッセージスローガンの下、社会から信頼され、お客さまから選ばれる企業を目指しています。全国各地のコスモステーションでは、「“ココロも満タンに”宣言3つの約束」として心地よさ、信頼感、責任感をお客さまに約束しています。
 

社会広聴会員:
環境問題への取り組み状況や地域への配慮はどのようになっていますか。
コスモ石油:
石油産業では、クリーンな製油所を目指し硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじんなどの大気汚染対策、水質保全、騒音対策、緑化対策、産業廃棄物対策など業界を挙げて取り組んでいるほか、ガソリンや軽油の低硫黄化は国の規制開始に先駆けて実現させました。物流ではタンクローリーや内航タンカーの大型化や高積付率の維持に取り組んでいます。サービスステーションでは太陽光発電システムやLED照明の採用も始めました。また、当社が発行する「コスモ・ザ・カード・エコ」では、お客さまから毎年お預かりする500円とコスモ石油グループからの寄付金を、「コスモ石油エコカード基金」として、地球環境保全をサポートする「ずっと地球で暮らそう。」プロジェクトを展開しています。地域社会とのかかわりでは、四日市製油所での三滝川の清掃など、事業所ごとに地域清掃活動を行っています。また、千葉製油所、堺製油所およびコスモ松山石油では「コスモの森」として県有林を借り受け、里山を整備しています。
 

社会広聴会員:
ガソリンスタンドの地震対策は。
コスモ石油:
可燃性危険物を取り扱うため、一般建築よりも厳しい耐震性・耐火性を求められており、貯蔵タンクも二重殻構造となっています。1995年(平成7年)の阪神淡路大震災でも震災直後こそ停電のため給油できないところがありましたが、被災地域内869カ所のほとんどが被害もなく、2日後にはその大半が営業を開始しました。その後の新潟中越地震でも給油所の堅牢性と石油製品供給の重要性が確認されたので、自家発電設備や貯水設備のほかAEDや生活用水を供給できる井戸設備を備えた災害対応型サービスステーションを全国に設置しています。
 

社会広聴会員:
エネルギーの安定供給に向けた取り組み、備蓄状況について教えてください。
コスモ石油:
わが国では原料である原油を輸入し、国内製油所で精製し石油製品として供給する「消費地精製方式」を採っています。製品より原油の方が国際間の取引量が多く、平時は言うまでもなく、緊急時においても、安定供給上優れています。石油緊急時対策としては平常時の備蓄、準緊急時の備蓄石油の取り崩し、緊急事態宣言後の消費抑制対策や供給対策が定められています。石油備蓄は4月末現在、政府が行う「国家備蓄」116日分と石油会社が行う「民間備蓄」87日分の計203日分の備蓄量があります。民間備蓄は経営の自由度を制約するものですが、義務付けられた70日分以上の備蓄をエネルギー供給事業者の社会的責任の一環として確実に履行しています。なお、中東から日本までの輸送は20~25日かかっています。
 

社会広聴会員:
石油の今後や新しいエネルギーへの取り組みはどう考えていますか。埋蔵量は大丈夫ですか。
コスモ石油:
石油は、第一次石油ショック以降、依存度は低下しつつあるものの、わが国の一次エネルギー供給の5割を占めています。常温・常圧で液体であり、輸送や貯蔵の容易性にも優れているため、また、石油化学製品の原料にも利用されているため、経済性、利便性の観点から今後とも重要な位置を占めることは変わりません。埋蔵量に関しては、掘削技術の進歩や新規油田の発見、石油類似資源の開発などで石油の可採年数は40年とも50年とも、あるいは200年を超えるともいわれていますが、石油資源は「地球からの贈り物」「古代の遺産」であり有限であることから代替エネルギーの開発に積極的に取り組む必要があります。コスモ石油では、集光太陽熱発電やバイオマスエネルギー、風力発電事業の研究に取り組んでいます。
 

社会広聴会員:
ガソリンの価格はどのように決まるのですか。

コスモ石油:
ガソリン代129円の場合、中味価格が67.1円、これに対する消費税3.3円、ガソリン税53.8円、石油石炭税2.04円、両税に掛かる消費税2.8円となっています。中味価格のうち53~54円は原油代、精製コストに3~4円掛かるため、流通・販売コストは1円以下の単位で合理化が求められています。
 

社会広聴会員:
ガソリンスタンドのセルフ化が進んでいますが、人によるサービスはどう考えていますか。
コスモ石油:
全国4万軒弱のスタンドのうち3割がセルフ化しているといわれています。コスモ石油では現在、ひとつの商圏内に車検までできるキーステーションとサテライトステーションを設けていますが、今後、セルフでもカーケアメンテナンスのサービス提供ができる体制をつくっていく予定です。
 

社会広聴会員:
製油所内に他社のタンクローリーが出入りしていましたが、どういうことですか。
コスモ石油:
石油製品は品質が統一化されているので、安定供給と物流効率化のため、業界で物々交換する仕組みができています。他社で精製された石油製品であっても販売するメーカーはお客さまに対し自社製品として責任を持っていますのでご安心ください。
 

参加者の感想から

●コンビナートの主要部がパイプによってつながっている現場を見ると、国内産業の基幹として、日本経済を支えてきた姿に一種の感動を覚えました。 
 
●石油連盟の事業で、オイル流出事故を想定してたくさんの機材を準備されており、今回のメキシコ湾原油流出事故で、要請の打診が来ていると聞いて遠い異国の話が身近な出来事に感じました。 
 
●ガソリン価格のうちスタンドの利益が1リットル当たり数円規模と知って、驚きです。 
 
●所長をはじめ、本社や製油所の関係者の皆さんの真摯な対応に「ココロも満タンに」なり、コスモ石油がより身近な存在になったように感じました。

コスモ石油ご担当者より
 ガソリン等の石油製品の製造工程はすべてが装置や配管に覆われており、詳細をご紹介することができませんでしたが、「国内油濁防除資機材基地」の見学では、メキシコ湾での原油流出事故が発生した後でもあり、興味を持って見学いただけたのではないでしょうか。 
 普段利用いただいているガソリンスタンドやニュースで見聞きする石油に関する情報について、今回の懇談会を通じて、少しでも身近に感じていただければ幸いです。 
 これからも皆さまのココロが満タンになるよう、頂戴したご意見、ご感想を事業活動に生かしてまいります。このたびはありがとうございました。
お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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