企業と生活者懇談会
2010年8月5日 東京
出席企業:ジェイティービー
見学施設:JTBビル

「JTB100年の歴史~旅行業から交流文化産業への進化~」

2010年8月5日、東京都品川区のJTBで、「企業と生活者懇談会」を開催しました。社会広聴会員14名が参加し、JTBの会社概要、CSR(企業の社会的責任)への取り組みについて説明を受けました。続いて「JTB100年の歴史」と題する旅行業から交流文化産業への進化についての講演、質疑懇談を行いました。 
JTBからは、田川博己代表取締役社長をはじめ、高橋威男常務取締役、旅行事業本部の加藤誠地域交流ビジネス推進部長、萩野隆二地域交流ビジネス推進室マネージャー、小泉学地域交流ビジネス推進室グループリーダー、広報室の加藤八十司マネージャー、佐藤実希グループリーダー、JTBグランドツアー&サービスの井上康史執行役員企画販売部長が出席しました。
JTBからの説明
■JTB100年の歴史 ■
 1912年(明治45年)に喜賓会「外国人観光客誘致機関」より役割を引き継ぎ、ジャパン・ツーリスト・ビューロー(JTB)が発足しました。第二次世界大戦の際、リトアニアの在カウナス領事館に赴任していた外交官杉原千畝は、ユダヤ人難民が亡命できるよう大量のビザを発給しました。ナチス政権下のドイツによる迫害を受けていたおよそ6000人のユダヤ人を救いました。JTBは、このときのユダヤ人避難ルートにおける輸送を担当し、陰ながら避難を支えました。1945年(昭和20年)に名称を(財)日本交通公社(JAPAN TRAVELBUREAU)と変更し、進駐軍の斡旋と復員軍人、一般邦人の引き揚げ輸送斡旋を当面の主な事業としました。 
 その後(戦後復興・体制強化期)、1949年(昭和24年)に観光券取扱手続制定、1955年(昭和30年)に周遊券発売開始、1962年(昭和37年)に旅行商品券、1964年(昭和39年)にはギフト旅行券を発行しました。1964年のサンライズツアー、1968年(昭和43年)のルック、1971年(昭和46年)のエース登場とパッケージツアーを本格化しました。 
 2001年(平成13年)には名称を(株)ジェイティービーと変更し、丸の内にあった本社を天王洲に移転しました。2006年(平成18年)、北海道から沖縄まで、「地域密着」を掲げた地域会社に分社化し、「交流文化産業」を新たな事業ドメインとして新たなビジネス領域を創造し、発展することを志しています。 
 
■JTB社会貢献活動 ■
 地域に埋もれたり、忘れ去られようとしている郷土の祭りや芸能を見つけ出し、旅として楽しんでいただく「杜の賑い」や、地域固有の魅力を開発・発見し磨き上げることで持続的な観光振興による地域活性化を支援すると同時に、地域の観光振興を主導する人材育成を目的として「JTB交流文化賞」を実施しています。 
 また、観光地クリーンアップキャンペーンとして観光地の清掃活動、植林、花植え、稚魚放流といった環境保護活動をお客さまとともに継続的に取り組んでいます。最近では、バードウォッチングや地元の歴史解説などのプログラムを取り入れ、地域の特性を生かしたキャンペーンを実施しています。 
 
■JTBグループ戦略■ 
 総合旅行業として旅行を販売する時代から分社化したJTB地域会社が着地型地域コンテンツをプロデュースする時代となり、交流文化産業へと進化を目指しています。交流文化産業とは、旅の力(交流、文化、経済、教育、健康)を原点として、より大きな感動や活力を呼び起こすことで、社会やお客さまの生活を豊かにするために、あらゆる交流の場を「創造、演出、サポート」し、「優れた商品・情報・サービス」を提供することと定義しています。さらに将来はJTBグループが豊富な地域の知恵、専門性、資源を所有し、イベント、アクティビティー、ツアー、輸送、運送計画をデザインし、提案することに特化したプロフェッショナルなサービスを提供できることを目指しています。 
JTBへの質問と回答
社会広聴会員:
旅行業の現況について教えてください。
JTB:
旅行業はリーマンショック以降、厳しい状況が続いています。インターネット販売が利便性が高いため拡大していますが、現状は家電製品購入なども競争相手となっています。これからは旅行自体の魅力を高めていかなければならないと考えています。
 
社会広聴会員:
今、一番力を入れていることは。
JTB:
まず、拡大しているインターネット販売であるウェブ戦略です。次にグローバル戦略で、中国、韓国、オセアニアなどに会社を設立しました。これまでお客さまを日本からオーストラリア、オーストラリアから日本にお連れするといった双方向が中心でしたが、グローバル化の中ではオーストラリアのお客さまを例えば中国へお連れするような世界全体での最適ネットワーク展開ができるよう基盤整備をしています。また、地域交流ビジネス戦略として地域経済を潤し、お客さまが興味を持ち、行きたいと思っていただけるような地域活性化を支援しています。
 
社会広聴会員:
同業他社との違いを教えてください。
JTB:
当社は、お客さまからの要望や意見に対し、様々なサービスが提供できる仕組みになっています。ロイヤルロード銀座支店は、例えばお客さまのご自宅へ直接伺い、お話を聞いて旅行プランを作成するケースもあります。
 
社会広聴会員:
アジア人の日本への旅行が増えていますが、JTBでは何か対応されていますか。
JTB:
まず、利用者を増やすため、英語、ハングル、繁体字、簡体字にてウェブサイトを作成しました。そして、中国に旅行会社を設立しています。今後中国人の方の日本への旅行の取り扱いを準備しています。
社会広聴会員:
ツアーパッケージの企画はどのようにつくられるのですか。
JTB:
2006年に海外旅行専門会社として設立したJTBグランドツアー&サービスのお話をしますと、ツアーの企画、仕入れ、手配、販売、添乗の機能を自社内に持つ会社で、今までのJTBにない秘境専門の旅行会社です。最初5コースから始まり、お客さまとの対話により企画に役立て、今は120コースまで拡大しています。場合によっては、お話した担当者が添乗することもあります。企画の原点はお客さまとの対話からできるものと認識しています。
 
社会広聴会員:
旅行会社としての危機管理について教えてください。
JTB:
外務省のホームページに各地域の危険情報などが掲載されています。JTBとしても国からの情報を基準に判断しています。もし事故などがあった場合は、緊急対策マニュアルが現地、日本、海外それぞれに用意されています。状況に対応したマニュアルとなっていますので早急に対応できる仕組みになっています。
 
社会広聴会員:
海外旅行は、なぜ時期によって金額の差が大きいのですか。
JTB:
航空会社やホテルの価格がその国のシーズンのオンオフにより細かく設定されているためです。
 
社会広聴会員:
地域交流ビジネスとは地域活性化や町おこしの事業だと説明がありましたが、広告代理店など(マーケティング会社)と何が違うのですか。
JTB:
広告代理店は新聞広告のPRなどがメーンとなっていますが、JTBの地域交流ビジネスは人が交流することで文化や経済が生まれ、その結果地域活性化につながると考えています。JTBは問題の解決策を提示し、独自の旅行商品をつくり、お客さまをお連れする仕組みを持っています。地域が活性化するためには人材が重要です。JTBは、人材育成についてのカリキュラムも持っています。
 
社会広聴会員:
旅行ガイドについて教えてください。
JTB:
ガイドのレベルによって旅の楽しさが変わってしまうため、非常に重要な要素だと認識しています。ガイドについては、現地の各旅行会社のガイドと契約しています。旅行後のアンケートにガイドの評価項目を入れ、再教育や改善を行っています。
 
参加者の感想から

●田川社長にご同席いただき、自ら自社の経営方針を熱く語られていた姿に感動しました。 
 
●グランドツアーや介護が必要な方のためのツアーがあることを初めて知りました。親戚に体の不自由なものがいるので、紹介してあげようと思いました。 
 
●地域での対話、提案、観光化は地域とともに繁栄する企業として素晴らしい在り方だと思いました。 
 
●観光立国「日本」として世界に打って出るための民間の幹はJTBをおいてほかにはないと思いました。 
 
●JTBの歴史、理念やCSRの取り組み、ビジネスモデルなど、分かりやすくご説明いただき理解を深めることができました。私たち参加者が今度は発信者となり、JTBのPRの一端を担えればと思います。 
 
●個人的にも興味深い旅行業界や、業界を代表する会社について、幅広い話を伺うことができました。特に質疑応答の時間がたっぷりあり、参加者のいろいろな質問に丁寧な回答をいただいたので、好奇心が十分満たされ良かったです。 
 
●「旅」を観光旅行としか認識してなかった気がする私にとっては「旅」の意義を整理し、「旅」の素晴らしさを再発見する機会でもありました。 
 
●地域交流事業は、今の日本に最も必要とされるアプローチですが、これも言うは易く行うは難しで、大変な努力が必要でしょう。頑張ってほしいと思います。

JTBご担当者より
 今回、「企業と生活者懇談会」という貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。参加者の皆さま方からいただいたご意見、要望をお客さま満足度の向上、地域の発展のためにしっかりと生かしてまいりたいと考えております。JTBを今後ともよろしくお願いいたします。
お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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