企業と生活者懇談会
2011年2月15日 愛知
出席企業:キユーピー
見学施設:挙母工場

「オープンキッチン」

 2月15日、愛知県豊田市のキユーピー挙母工場で、「企業と生活者懇談会」を開催しました。生活者22名が参加しました。同社および挙母工場の概要、マヨネーズの製造工程について説明を受けた後、マヨネーズ・ドレッシングの製造工場を見学し、質疑懇談を行いました。
キユーピーから、挙母工場の上田敏哉工場長、村中優佳氏、広報室の堀池俊介部長、山口ルリ子氏が出席しました。
キユーピーからの説明
■キユーピー、挙母工場の概要■
 創始者の中島董一郎が1919年(大正8年)に設立した食品工業(株)が当社の前身です。1925年(大正14年)には国産初のマヨネーズとなるキユーピーマヨネーズを発売しました。1957年(昭和32年)、社名をキユーピー(株)に変更しました。現在、当社は、国内マヨネーズ市場の約60%、ドレッシング市場の50%弱に当たる商品を提供しています。
 ここ挙母工場は、1959年(昭和34年)1月の稼動で今年で53年目を迎えました。現在、約370名の従業員が働き、マヨネーズ、ドレッシングなど計229種類の商品を製造しています。
 
■品質を守る人づくりと仕組みづくり■
 お客さまに安全、安心な商品をお届けするために力を入れているのは、品質を守るための人づくりです。従業員全員が一つひとつの作業をおろそかにせず遂行し続けるためには、「なぜこの作業をやらなければいけないのか」という疑問を決してそのままにしないことが大切です。作業の目的を深く理解できるよう、従業員同士が十分にコミュニケーションできる職場環境の維持や従業員教育・研修の充実に努めています。 
 人を支援するシステムや仕組みの整備も重要です。自社開発したFA(ファクトリー・オートメーション)システムは、製造工程で起こるミスをなくすためのシステムです。かつて、ドレッシングのように様々な原料を必要とする商品は原料の小分けや配合の過程でヒューマンエラーが起こりがちで、担当する従業員の心の負担も大きかったのです。こうした配合事故の未然防止と従業員の不安の解消を図るべく、1983年(昭和58年)にFAシステムを開発し、拡充を続けてきました。 
 システムは、原料名、製造者、賞味期限、内容量などを管理・記録しており、小分け・配合などの作業の都度、二次元コードのスキャンを通じて担当者の作業内容をチェックし、トラブルを未然に防ぎます。例えば、小分け袋に塩を詰めるべきところ、担当者が誤って砂糖の原料袋を持ち出してきて詰めようとして砂糖袋に張られた二次元コードをスキャンさせると、システムがエラーを表示し自動的に作業が中断します。 
 このFAシステムをもとにして、ベビーフードなどにトレーサビリティシステムも実現しています。商品には、QA(クオリティアシュアランス)ナンバーが印字してあります。このQAナンバーとトレーサビリティシステムにより、どこの工場のどのラインでいつ製造されたかを5分単位で、さらには原料がどの会社からいつ納入されたものかなどを、すぐに確認できるようになっています。 
 そのほか、パスワードによる各現場の入室管理や、異物が混入していないことを連続的にモニタリングするための「ろ過器」を工程中に設置するなど、品質を守るための様々な仕組みを導入しています。 
見学の様子
■マヨネーズ・ドレッシングの製造工場見学■
 マヨネーズの主原料である卵の黄身を取り出す割卵の工程から始まり、マヨネーズ・ドレッシングの充填、箱詰めへと続く工程を見学しました。 
 中でも割卵工程が印象的でした。円筒形の割卵機が目が回るようなスピードで回転しながら、1分間に600個ものペースで卵を割り、卵黄を取り分けていきます。一方で停止・洗浄中の割卵機もありました。一定時間ごとに止めて洗浄し、さらに一日の作業が終了した後にも部品を一つひとつ分解・洗浄することにより、衛生管理が徹底されています。 
 現在、日本で生産される卵の約9%がキユーピーの商品に生まれ変わっていますが、卵黄、卵白以外の部位もすべて有効活用しているそうです。見学コースでは、卵殻を活用してできたチョークや壁紙なども紹介されました。
キユーピーへの質問と回答
社会広聴会員:
多様化する嗜好に応えるための取り組みについて教えてください。
キユーピー:
一人でも多くの人の嗜好に合うよう常に工夫を重ねることが大切だと考えています。実はマヨネーズは、年々少しずつ味を変えています。発売当時は生野菜を食べる習慣がなく「かに缶」などに合わせる調味料として売り出したためマスタードの風味がとても強いものでした。日本人の食嗜好・食生活の変化に応じてマヨネーズも変わっているからこそ、「ずっと変わらず同じ味でいいですね」と評価していただけるのだと考えています。 
 

社会広聴会員:
鳥インフルエンザへの対策を教えてください。 
キユーピー:
卵は、割卵後に、鳥インフルエンザウイルスやサルモネラを死滅させる条件で加熱殺菌を行っています。鳥インフルエンザウイルスが万一マヨネーズに混入しても30分で不活性化するということも、大学との共同研究により確認しています。 
また、どの地域で鳥インフルエンザが発生しても、卵を原料とするマヨネーズなどの商品の生産・販売に支障をきたさないよう、卵の代替調達先・調達計画を整備しています。 
 

社会広聴会員:
商品数について教えてください。 
キユーピー:
業務用を含めて4000~5000種類になります。業務用・家庭用、または内食・中食・外食と、バランスよく展開していることが当社の強みです。例えば、シーザーサラダドレッシングを日本に定着させたのは当社といわれていますが、90年代にまず外食向けにシーザーサラダを展開した後で、2000年代から家庭用ドレッシングとして販売しました。 
 
社会広聴会員:
社会貢献活動について教えてください。        
キユーピー:
教育、食育の分野を中心に、長く継続して取り組んでいます。ベルマーク運動は1960年(昭和35年)の開始当初から協賛してきました。オープンキッチン(工場見学)は、小学生の社会科見学として1961年(昭和36年)から始まりました。当時、工場見学を受け入れる会社は非常に珍しかったそうです。最近注力しているのが、食物アレルギーへの取り組みです。例えば、卵アレルギーを改善する研究、アレルギー特定原材料等25品目を使わないベビーフードの商品化です。食物アレルギーを啓発するDVDを作成し保育園、保健所などに無償で配布する活動も展開しています。
 
社会広聴会員:
ドレッシングの商品開発について教えてください。 
キユーピー:
ドレッシング単体ではなく、新しいサラダやメニューを紹介した上で「こんなドレッシングが合いますよ」と提案する形で進めています。また容器についてはユニバーサルデザインを一層追及していきます。このたび「ヒネルキャップ」という新しい容器を開発しました。外蓋を閉める方向に音がするまで回すと中栓が簡単に開きます。中栓のプルリングを取る際の手間や手の汚れに悩まされることなく開封することができます。 
 
社会広聴会員:
かわいいパッケージが評判の、瓶入りのマヨネーズについて教えてください。 
キユーピー:
中身はボトルタイプと同じです。賞味期限が1年と、ボトルタイプの10カ月に比べて長いのがメリットです。根強いファンがいらっしゃるため、挙母工場でも少量ですが生産を続けています。
参加者の感想から
●マヨネーズ容器が、酸化防止のため三層構造になっていることに驚きました。厳しい原材料チェックや製造過程の衛生管理、安全安心への心掛けを知り、キユーピーへの信頼を深めました。 
 
●創始者中島董一郎氏のDNA(常に消費者に目を向けた姿勢)がしっかり継承されているようで、ますますキユーピーファンになりました。 
 
●割卵、充填・窒素置換などの工程について実物の機器や容器を用いて説明いただき、それらに触ることもできたので分かりやすかったです。 
 
●道義と品質を守る誠実な人材を育てることの大切さを理解し実践していることは、素晴らしいと感じました。 
 
●品質や衛生管理のお話を伺い、より一層安心と信頼を得ることができました。また、懇談会で教えていただいたとおりにマヨネーズを入れてホットケーキを作ってみたところ、ふんわり焼き上がり、家族にも大好評でした。 
 
●わが家の食卓で毎日接しているキユーピーマヨネーズやドレッシングなどが、どのように作られ、品質販売管理がなされ、安全、安心な食品として全国各地に出荷されているかを知る大変貴重な機会でした。 工場見学を「オープンキッチン」と名付けて公開する姿勢は、まさに安全、安心の自信の表れと思います。 
キユーピーご担当者より
 私たちは今、ユニバーサルデザインに力を入れています。もとになっているのはお客様相談室にいただいたお客様の声で、表示を見やすくする、開封しやすくするといった工夫を重ねています。同じように、今回の生活者懇談会など生活者と直接対話ができる場を大切にしたいと思っています。私たちも生活者の視点を知り、自身の向上につなげていくことができるからです。このたびは、誠にありがとうございました。 
お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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