企業と生活者懇談会
2015年9月15日 北海道
出席企業:カルビー
見学施設:千歳工場

「掘りだそう、自然の力。-おいしく安心な商品づくりのために」

9月15日、カルビーの千歳工場(北海道千歳市)で「企業と生活者懇談会」を開催し、生活者11名が参加しました。企業概要、千歳工場の概要について説明を受けた後、工場を見学し、質疑懇談を行いました。 
カルビーからは、北海道事業本部の中村一浩事業本部長、村川元啓千歳工場長、野稲宏史北海道支店お客様相談室長、コーポレートコミュニケーション本部の後藤綾子本部長、田中宏和広報部長が出席しました。

カルビーからの説明

■カルビーの事業展開■
 カルビーは、1949年(昭和24年)に広島で設立されました。カルビーの社名はカルシウムの「カル」とビタミンB1の「ビー」を組み合わせた造語で、皆さまの健康に役立つ商品づくりを目指して名付けられました。
 当社の事業は、「ポテトチップス」「じゃがりこ」などじゃがいもを使ったビジネスが約53%と過半数を占めています。他には小麦粉を使った「かっぱえびせん」やコーンを使ったもの、シリアルがあります。パンも手掛けていて、関東の一部のコンビニの焼きたてパンやドーナツも当社のグループ工場で製造しています。
 当社は、60周年となる2009年(平成21年)に経営体制を一新し、外資系出身の松本晃が代表取締役会長兼CEOに、生え抜き社員の伊藤秀二が代表取締役社長兼COOに就任しました。それまで9名いた社内の取締役を新たに松本と伊藤の2名のみに減らし、同時に社外取締役を2名から5名に増やすなど、透明性の高い経営の実現を目指して改革を行ってきました。 
 以前の当社はややコスト意識が低く、良い商品をつくればお客さまは買ってくださると考えていました。新経営体制になってからは、企業が一定の利益を出すことで、その利益をお客さまや従業員、社会に還元することが大切だという考え方に変わりました。コスト意識を高く持ち、工場の稼働状況や原材料の調達方法の見直しを進めた結果、当社の主力商品である「ポテトチップス」の価格を他社商品と同様にお求めやすくすることができました。もともと品質に自信があったので、商品の売り上げは増え、工場の稼働率が上がり、コスト効率も上がるという良い循環が生まれました。新経営体制に移行してから、6期連続の増収増益を達成しています。 

■カルビー商品の歴史■
 当社は、設立当初はあめやキャラメル、小麦粉を使った甘いお菓子「かっぱあられ」などをつくっていました。しかし、もっとカルシウムたっぷりのお菓子をつくりたいと考え、当時瀬戸内海で捕れていた小エビを丸ごと「かっぱあられ」に練り込み、“やめられない、とまらない”「かっぱえびせん」が1964年(昭和39年)に誕生しました。その後、1975年(昭和50年)には「ポテトチップス」を発売、1988年(昭和63年)には現在「フルグラ」がご好評をいただいているシリアル市場へ参入、1995年(平成7年)に発売した持ち運びが便利なスナック菓子「じゃがりこ」もロングセラー商品となっています。2003年(平成15年)に北海道限定のお土産として発売した「じゃがポックル」もご好評いただいています。
 このように、ほぼ10年ごとに大型の商品が市場に根付き、当社は成長することができました。新商品を発売したから従来商品が売れなくなるのではなく、従来商品も変わらずお客さまに親しまれていることが当社の強みです。

■じゃがいものプロフィールを知る■
 当社のじゃがいも事業の特徴として、原材料から店頭まで、一貫した品質管理を行っていることが挙げられます。じゃがいもは年に一度しか収穫できないため、40年前は収穫できた期間だけ「ポテトチップス」を販売していました。それを年間通して販売できるよう、1980年(昭和55年)に、じゃがいも調達専門の会社「カルビーポテト」を設立し、契約栽培により「ポテトチップス」に適したじゃがいもを調達し、貯蔵しています。1年間で約24万トンのじゃがいもを国内で購入し、うち20万トンが北海道産です。また、1万8000トンを北米から輸入しています(いずれも2013年度実績)。少し前まで生のじゃがいもの輸入は禁止されていましたが、厳しい条件付きで輸入が認められるようになりました。
 当社は、スナック菓子で初めてパッケージに製造日を印字した会社です。現在当社の商品には、パッケージの表面に賞味期限と製造日、裏面に製造所固有記号番号や商品のシリアル番号などが印字されています。お客さまに安心して召し上がっていただけるよう、これらの番号を当社ホームページ内の「じゃがいも丸ごと!プロフィール」に入力することで、商品の生産工場や、じゃがいもの生産者や生産地区が分かるようになっています。

■千歳工場の説明■
 千歳工場は、1969年(昭和44年)に操業を開始しました。敷地面積は約3万平方メートル、従業員は約200名です。当社は国内の11カ所に自社工場がありますが、千歳工場は生産金額でいうと全国7番目の小さい方の工場です。じゃがいもは北海道で多く取れるので、千歳工場は規模が大きいと想像される方もいらっしゃいますが、取れたじゃがいもを全国の工場に送り、お客さまの近くで商品にすることで、輸送コストを抑えています。
 当工場は、操業当初「かっぱえびせん」をつくっていましたが、1978年(昭和53年)から「ポテトチップス」をつくっていて、現在はじゃがいもに特化した工場になっています。パリッとした食感の「ポテトチップス」、カリカリとした「堅あげポテト」、北海道限定のお土産「じゃがポックル」が主な生産商品です。また、全国で唯一、期間限定でチョコレートをかけたポテトチップスをつくっています。

見学の様子

■「ポテトチップス」ができるまで■

 千歳工場は、じゃがいもの泥を落とす前処理のゾーン、生産棟、物流棟の3つの建物で構成されています。
 参加者は、最初に前処理の原料保管室を見学しました。北海道にはじゃがいもの貯蔵庫が約20カ所あり、毎日必要な分量が工場までトラックで運ばれてきます。じゃがいもは、明るい光に当たると緑色になる緑化現象や発芽が進むため、保管室内は暗くなっていました。ここにあるじゃがいもはすぐに使用されるため、室温を一定に保つことはしていないそうですが、冬場はじゃがいもが凍らないよう、暖房を入れることがあると聞き、参加者は驚いていました。 
 次の洗浄室では、機械のブラシを使ってじゃがいもを洗浄し、泥や異物を洗い落としていきます。洗ったじゃがいもは皮むき機に投入され、やすりに押し付けて皮をむいていきます。皮むきが終わったじゃがいもは塩水のプールに運ばれます。小さ過ぎたり、大きくても中身が空っぽのじゃがいもは、お菓子に使えないため塩水の浮力で浮かせて取り除きます。取り除かれたじゃがいもはすりつぶしてでんぷん粉として利用するそうです。
 生産棟では、まずじゃがいもの傷みや芽などを取り除くトリミング作業を行います。ここでは人の手で、大き過ぎるじゃがいもを半分に切って、中に穴が開いていないかをチェックしたり、じゃがいもに付いた傷や芽などを取り除いたりしていきます。見学時は新じゃがの季節だったため、作業する人はまばらでしたが、時期がたつと芽が出ているじゃがいもが多くなるので、人海戦術で芽を取り除くそうです。
 次の工程では、じゃがいもをスライサーで薄く切り、フライヤーで揚げていきます。パリッとした「ポテトチップス」とカリカリの「堅あげポテト」では揚げる温度と時間が違い、「ポテトチップス」は180度で2分間、「堅あげポテト」は低い温度でじっくりと揚げていき、この工程の差が食感の違いにつながるそうです。参加者は、ここで本日揚げたての「堅あげポテト」を試食しました。まだ味を付けていないもので、じゃがいもの本来の甘さが伝わってきました。
 続いて揚げたポテトチップスのピッキング作業です。焦げたポテトチップスには苦味があるので、取り除いて牛や豚の餌にするそうです。まずはカラー識別機で焦げ色のものをエアーで吹き飛ばし、その後人の目で、機械ではじききれなかったものをチェックし取り除いていきます。味付け工程では、くるくると回転するドラムで味の粉を満遍なく振り掛けていきます。味を付けたポテトチップスは、自動計量機で重量が図られ、袋詰めされ、製造年月日などを印字して出来上がりです。「ポテトチップス」の場合はじゃがいもから商品になるまで約20分しかかからないそうです。
 参加者は、見学の最後に味付きの「堅あげポテト」を試食し、味付け前のものとの比較を楽しみました。

懇談会の概要

社会広聴会員:
ポテトチップスに使用するじゃがいもには、どのような品種を使用していますか。
カルビー:
使用品種は昨年度(2014年度)で11種類、「トヨシロ」や「キタヒメ」「スノーデン」といった皆さんが聞き慣れないものが多いです。ポテトチップスにはでんぷんが多く含まれているじゃがいもが適していて、有名な「メークイン」は糖分が高く、焦げてしまうので適していません。

社会広聴会員:
高級ポテトチップス「グランカルビー」について、他の商品との違いを教えてください。
カルビー:
グランカルビー商品に使用するじゃがいもは、他の商品と同じです。しかし生産工程が本日見学していただいた機械によるラインと違い、手作業の工程が多く、またカットの仕方も、当社のポテトチップスの中で最も厚く、特別なカットをしています。現在、大阪の老舗百貨店でのみ販売していますので、購入できる場所が限定されていることも特別感につながっていると考えています。
 

社会広聴会員:
新商品を多く発売されていますが、商品開発はどのように行っていますか。
カルビー:
当社の商品開発の特徴として、本社の開発部に加えて、各地域に開発部隊があることが挙げられます。各地域の特色を生かした商品開発を担当し、11ある工場間で協力と、良い意味での競争が行われています。
 

社会広聴会員:
商品の開発秘話を教えてください。
カルビー:
最近は、甘い味のポテトチップスが当たり前のようにあります。昨年韓国ではハニーバターチップが大ブームになりました。実は10年ほど前に、挑戦でポテトチップスのシュガーバター味を発売したところ、全く売れなかったという苦い経験があります。そのときの開発努力があってこその現在ですが、当時の開発担当者はつらい思いをしていました。発売する時代によって、お客さまの反応も変わってくるものだと感じた出来事でした。
 

社会広聴会員:
新商品が市場に認知されるために、どのような工夫をしていますか。
カルビー:
北海道限定のお土産として販売している「じゃがポックル」は、現在大変ご好評をいただいています。しかし、この商品は2002年(平成14年)に発売した当初は全く売れませんでした。製造ラインも動かず、製造メンバーが小売店の店頭に行って試食サンプリングをする日々もありました。そんな中、PRの一環として、航空会社のキャビンアテンダントによる口コミを期待して、キャビンアテンダントが宿泊するホテルにお願いして無料で商品を置かせていただきました。この取り組みが現在の「じゃがポックル」の認知に一役買ったといわれています。
 

社会広聴会員:
ポテトチップスにはどのような油を使っていますか。また、健康に気を付けている人が多い中で、企業として配慮していることはありますか。
カルビー:
ポテトチップスにはパーム油と米油を一定の割合で混合して使用しています。パーム油はアブラヤシの果実から取れる植物油で、あっさりした油です。米油は米ぬかから取れる植物油でうま味があります。
健康への配慮として、油分をカットした「カルビーライト!」シリーズの発売や、出張授業による食育の実施が挙げられます。スナック菓子に限らず、油分は取り過ぎると健康に影響がでます。当社では、子どもたちに身近なおやつを通じて正しい食習慣と自己管理能力を培ってもらうことを目的に、2003年(平成15年)から「カルビー・スナックスクール」を実施しています。昨年度は、出張授業と教材提供を含めて、782校、約6万3600名の児童・保護者にご参加いただきました。
 

社会広聴会員:
異物混入対策について教えてください。
カルビー:
まず、工場服は服の中で物が落ちても床に落ちないよう、上着に落下防止用のインナーを付け、ズボンの裾もゴムで締まるようになっています。外部から何も持ち込めないよう、ポケットはありません。帽子は、ネットをかぶりヘアバンドをした上からかぶります。また、工場の入り口までに複数のクリーンローラーやエアシャワーを設置しています。
異物混入に対するお客さまの意識は、年々高まっているように感じます。当社の商品でなくても、異物混入のニュースが流れると、当社への問い合わせも顕著に増えます。生のじゃがいもを使用していますので、少し残っていた皮が虫に見えてしまったり、じゃがいもの芽が糸に見えてしまうこともあります。いずれにしても、ご指摘があればすぐに確認し、真摯に対応することで、安全で安心な商品の提供に努めています。
 

社会広聴会員:
お客さまの声を事業にどう反映していますか。
カルビー:
お客様相談室にかかってきたお客さまの生の声を役員や社員が聞く取り組みをしています。1人当たり2時間、お客さまとコミュニケーターとのやりとりを黙って聞きます。お客さまの声を文字にして社内で共有する取り組みは既に実施しておりますが、時間をかけて、じかに聞く機会を設けることで自分ゴトとして受け止め、お客さまの関心事の把握や商品改善に生かして行きたいと考えています。

参加者の感想から

●経営姿勢や社会貢献、そして、何よりもお客さまの目線で安全安心なお菓子を提供している、だから常にトップを走っている企業なのだと実感しました。 

●これからも消費者に配慮した新商品を開発され、全世界の消費者に「幸せと楽しみ」を届けられることを願います。

●カルビーの製造メーカーとしての企業スタンスや食品の安全への理念など、また、具体的な工場設備を見せていただき、大いに参考になりました。とりわけ、食品衛生の徹底ぶりにあらためて驚きました。

●異物混入は消費者にとって関心が高い話題です。実際に社員の方が着ているユニフォームを見ながら、異物混入がないよう再三の注意を払っていることがよく分かりました。

●生産工程における廃棄物を含めた資源の有効活用の取り組みと地域貢献について今回知ることができました。おやつを通して正しい食習慣と自己管理能力を培う活動は企業利益に直結しないながら将来への投資という大きな財産価値です。今後もこれらの活動を継続されることを願います。

カルビー ご担当者より

 食品企業として安全、安心な製品をお届けすることは、何よりも優先すべき経営課題です。今回は短い時間でしたが当社の取り組みの一端を紹介させていただきました。また、皆さまからも、温かく厳しいご意見や激励のお言葉を頂戴しましたこと感謝いたします。いただいたメッセージは必ずこれからの事業活動に生かしてまいります。これからもカルビー製品ならびに千歳工場を応援していただきますようよろしくお願いいたします。

お問合せ先
経済広報センター 国内広報部
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