カーボンニュートラルの実現には、エネルギーの需要側(家庭、オフィス、運輸、産業)で省エネや電化を進めるとともに、電源の脱炭素化を同時に進めていくことが必要です。電化だけでは、脱炭素化を実現することはできません。例えば、電気自動車の場合、電気の供給源が脱炭素化されることで、カーボンニュートラルが実現するということです。
家庭分野では、電気製品など家庭の様々な製品の省エネにさらに取り組むとともに、住宅全体でCO2を削減していくことが重要となっています。
また、住宅面では、省エネ効果の高いガラスなどの普及を図るとともに、省エネ・電化と脱炭素電源の活用を組み合わせたZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の開発も進められています。
家庭製品の省エネ/住宅の省エネ/ネット・ゼロ・エネルギーハウス[ZEH](エネルギー供給を含む)
業務分野では、オフィスの省エネ・電化を進めるとともに、省エネ・電化と脱炭素電源の活用を組み合わせたZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の開発が行われています。
あわせて、オフィスを利用する際のCO2を減らしたり、店舗やデータセンターの省エネを進めたりすることも重要です。
事業所の省エネ・電化/商業・サービス分野の省エネ/IT分野の省エネ/ネット・ゼロ・エネルギー・ビル[ZEB](エネルギー供給を含む)/建設分野での取り組み
運輸分野の電化の核となるのが、電気自動車や燃料電池車といった電動車の開発・普及です。その中心となるのは主に自動車メーカーですが、脱炭素化された電気の安価かつ安定的な供給も重要です。電源の脱炭素化をセットで進めなければ、電動車の利用によってカーボンニュートラルを実現することはできません。
加えて、電池やモータなど部材部門での電費向上に向けた取り組みや、自動車を利用する段階でのCO2をできるだけ減らしていく努力なども行われています。
鉄道分野では、再生可能エネルギー100%による運行のほか、エネルギーを効率的に変換するデバイスの製作など、部材部門での取り組みも進められています。
自動車分野での取り組み/鉄道分野での取り組み(エネルギー供給を含む)
産業分野では、工場・施設、商業・サービス、IT等において、省エネ・電化への様々な技術開発が進められています。
工場・施設に関しては、エネルギー使用量を減らす新たな生産プロセスの開発などを進めるとともに、生産プロセスの各段階において省エネへの地道な努力が行われています。
医療や店舗などの商業・サービス分野、DXの進展に伴ってエネルギー量の増大が予想されるIT分野でのイノベーションも重要です。
さらには、部材部門の技術開発が様々な分野の取り組みを支えています。
また、省エネ・電化と脱炭素化電源を組み合わせて、工場や店舗全体、会社全体で、CO2の排出量ゼロを目指す技術開発も行われています。
工場・施設での省エネ・電化/商業・サービス分野の省エネ/IT分野の省エネ/ 部材部門での取り組み/工場・店舗全体での取り組み(エネルギー供給を含む)/ 全社での取り組み(エネルギー供給を含む)/外国での貢献
エネルギー転換部門では、発電時にCO2を排出しないゼロエミッション電源の導入拡大を積極的に行っていくことが不可欠です。具体的には、太陽光・風力発電をはじめとする再生可能エネルギーを最大限導入していく必要があります。その際、気象に左右される太陽光・風力発電の電力を貯める蓄電池の性能向上も必要となります。また、発電時にCO2を排出しない原子力発電について、安全性を大前提に活用を進めていくことも、カーボンニュートラル実現の有効な手段となります。
さらには、既存の火力発電所で、水素やアンモニアを燃料に混ぜて燃焼することでCO2排出を減らす取り組みや、CO2の回収技術と組み合わることで脱炭素化していく取り組みも進められています。
ゼロエミッション電源/電気の貯蔵/送配電での取り組み/デバイス部門の取り組み/ エネルギーマネジメント/バーチャルパワープラント(VPP)/地域分散・スマートシティ/ エネルギー供給のCO2削減/その他の取り組み/外国での貢献